剱崎での時間調整を終えて再びバスは走り出します。坂を下りると松輪海岸停留所。
小さな海岸ですが、三浦半島にもこんな場所があったのか・・・と、初めて行った方は車窓にくぎ付けになりそうな場所にバス停があります。
ここから江奈停留所にかけては、江奈湾沿いを走ります.
江奈を過ぎると今度はこのバスのメイン狭隘区間に入ります。
運転技術、地域との連携などがつまったこの区間、先ほど剱崎で時間調整していたのも、この区間でバス同士がすれ違わないためということもあるでしょう。
この日はちょっとしたすれ違いがありましたが、地元の人たちも慣れたもので、譲り合いのうちにバスはコトコト進んでいきます。
毘沙門でリュックを背負った初老の男性が下車します。この辺りからは乗車する人も2~3名ありました。
毘沙門停留所、しっかりと風よけがあり一時代前の路線バスのローカル雰囲気が残ります。
清掃も行われているようで、ごみもなく、ベンチには座布団が1枚置かれていました。京急バスの中でもこのような光景を見られるとは思ってもみませんでした。
狭隘区間をしばし走ると、今度は一面畑の台地に出ます。大乗停留所あたりからは風力発電の風車や伊豆大島、反対側の車窓には富士山も見ることができました。
のどかな道を中型車の京急バスがコトコト走ります。この景色で撮影したらと考えますが・・・日中1時間に1本というのがネックになります。
気づけば次の停留所は城ケ島大橋。もう三崎港は近くと感じる聞き覚えのある停留所までやってきました。
いつもは三9系統城ケ島線(三崎口駅~城ケ島)で多くの観光客と一緒に乗る区間ですが、地元路線の海35系統ではまた違った景色にも思えます。
ここも京急バスの名所スポット椿の御所停留所。ぐるりと漁港周りをバスは走ります。三崎東岡のスーパーへ買物に行く主婦の方も乗車してきました。
漁港の生活路線を感じさせてくれる、新たな車内の光景となります。
バスはその後三崎港へ。観光客であれば、ここで降りて買物や食事などを楽しみますが、今回は海35系統を味わうのが目的。
あと一つ先の終点三崎東岡を目指します。
三浦海岸駅から約45分かけて、終点三崎東岡に到着します。
終点では6名が下車、全線乗り通したのは私だけでした。近くのスーパーに向かう人や、次の三崎口駅行を待つ人たちに分かれ、バスは三崎営業所へと回送となり発車しました。
海35系統は季節によって、いろんな変化があるかと思いますが、日常の姿を味わいながらという光景も悪くはありません。
全線で運賃表示は510円でしたが、三浦半島1DAYきっぷを利用する私はこの路線に乗車するだけで、運賃だけでない何かを得した気分になりました。
京急バスの路線図を見ると、その走った区間、唯一のこの地域の路線を振り返ることができます。
おわり
あかいくつ