2015年3月に開通する北陸新幹線の長野駅~金沢駅延伸に伴い、信越本線が再び路線縮小となります。
なかでも、長野駅~妙高高原駅はしなの鉄道へ移管され、妙高高原駅~直江津駅はえちごトキめき鉄道へ移管されることとなります。
車両もJR東日本からE127系や115系を譲り受けることとなりますが、長年L特急あさま号などで信越本線を走ってきた189系はこの路線から役目を終える予定となっています。
普通列車ながら、そんな信越本線の特急列車の旅情を思い出させてくれるのが「妙高号」(長野~直江津)です。
同区間の特急列車廃止に伴い誕生した列車で、以前のあさま号で使用していた特急型車両を使用した妙高号。
この区間に6両編成というのは季節によってはかなりの過剰となりますが、そんな思いもまもなくで消えようとしています。
この列車の特徴は、1両だけ連結されている指定席車両。
新幹線への乗り継ぎ客などへの利便性快適性を兼ねて設定されている普通列車では珍しい普通車指定席です。
今回は、混雑状況の把握をしたいのと、最後の記念に列車名の入った指定席券を残すために指定席を選択しました。
今回乗車した妙高3号は長野駅12時45分発。すでに20分ほど前には入線しており乗客を迎えていました。
あくまでも普通列車のため、特別な放送の類はありませんでしたが、ホームにはこの列車を目当てに撮影する人が予想以上に多かったのが驚きでした。
列車が発車し、明らかに落ち着きのない人々がちょこちょこ動くのが目立ちました。かなりの枚数を車内から撮影していたようで、まさにこの指定席車両、この日は10名程度の乗車率でしたが8名ほどがマニアという状況でした。
長野を発車して、廃車車両や保留車、休車が車窓に現れます。長野総合車両センターをすぎると、すぐに北長野駅。
普通列車ながら、駅間が長いため特急車でも快適です。
三才では、駅名板でまさに三才くらいの子供たちを撮影する姿が見られました。
しなの鉄道移管後は、この駅をもっと積極的にアピールして観光客を呼び寄せてほしいものです。
そして列車はしばらく走り、この路線で一番の見どころのスイッチバック駅二本木駅に到着です。
わずかな停車時間で車内の動きが慌ただしくなります。この時、はじめてマニアの多さに気づきました。
車窓から気になっていたのは、各駅の工事や作業者の姿でした。
着実に移管に向けた準備が進められているのは、長野駅を見て実感しましたが、やはり沿線や駅も変わろうとしています。
そしてそれを最も実感するのが脇野田駅でしょうか。
すでに隣接地には北陸新幹線の上越妙高駅が建設中。この脇野田駅周辺の在来線も新幹線新駅へと駅舎を移す予定となっています。
ですので、現状の駅舎は来月の18日までとなります。
列車はほどなくして終点直江津に到着します。
北陸新幹線が延伸すれば、特急列車の削減でこの駅の利用者も少なくなりそうです。駅ではお弁当売りのおじさんがいましたが、彼らの仕事にも少なからず大きな影響がでることでしょう。
そして何かを感じさせるように、直江津駅構内には試運転列車としてフレッシュひたち号で常磐線で使用したE653系が到着しました。
あかいくつ